法律コラム

2026年9月30日

特定商取引法の表示義務チェックリスト:EC事業者が違反しないために

ECサイトで商品やサービスを販売する場合、事業者は「特定商取引法に基づく表記」のページを用意するだけでは足りません。通信販売では、商品ページやランディングページなどの広告段階で必要事項を表示する義務に加え、インターネット通販の最終確認画面でも、注文内容・支払総額・解約条件などを消費者が一覧して確認できるようにする必要があります。

とくに、返品・キャンセル条件、定期購入の回数・総額、送料や手数料、解約方法が分かりにくい場合は、行政処分だけでなく、消費者による申込みの取消しや返品をめぐる紛争につながる可能性があります。EC事業者は、法令上の表示文言だけでなく、購入導線全体を一体として確認することが重要です。

この記事のポイント

EC事業者が確認すべき表示は、大きく①広告・商品ページ等における特定商取引法第11条の表示、②注文直前の最終確認画面における第12条の6の表示の2段階です。返品特約は特に重要で、明確な特約表示がない場合、通信販売でも商品受領後8日以内の返品が認められることがあります。定期購入では、各回の数量・金額だけでなく、総分量・支払総額・解約条件まで消費者が把握できる表示設計が必要です。

1.ECサイトに特定商取引法が適用される場面

インターネットを利用して商品、特定権利又は役務の申込みを受ける取引は、典型的には特定商取引法上の「通信販売」に該当します。自社ECサイトだけでなく、ランディングページ、SNS、モール、インターネット・オークション等を通じた販売でも、広告に基づいて通信手段により申込みを受ける仕組みであれば通信販売規制の対象になり得ます。

通信販売の規制で重要なのは、単に「会社情報を掲載する」ことではありません。法律は、販売条件を提示する広告の段階と、消費者が実際に申込みを確定する段階を分けて規制しています。

確認場面 主な根拠 実務上のポイント
商品ページ・LP・広告等 特定商取引法第11条 販売価格、送料、支払方法、引渡時期、返品・解約条件、事業者情報等を適切に表示する。
最終確認画面 同法第12条の6 数量、支払総額、支払時期・方法、引渡時期、申込期間、返品・解約条件を申込み直前に確認できるようにする。
申込操作・画面設計 同法第12条の6、第14条等 申込みになることを誤認させない。申込内容を容易に確認・訂正できる仕組みを設ける。

2.第11条に基づく「広告の表示事項」

通信販売では、消費者が対面で販売員から説明を受けないため、販売条件の多くを広告から判断します。そのため、特定商取引法第11条は、通信販売の広告に一定の事項を表示することを求めています。インターネットでは、商品ページやLPなど、消費者がその表示を見て申込みをすることができる画面が「広告」に当たり得ます。

主要な表示事項は次のとおりです。実際には商品・サービスの性質や販売方法に応じて追加表示が必要になるため、単純な固定テンプレートを使い回すのではなく、取引内容に合わせて確認する必要があります。

表示項目 確認内容
販売価格 実際に取引に用いる価格を表示する。消費税を徴収する場合は消費税を含んだ価格として表示する。
送料 販売価格に含まれない場合は別途表示する。「送料実費」だけで済ませず、金額又は消費者が金額を把握できる方法で示す。
その他の負担 代引手数料、梱包料、設置費、工事費など、購入者に負担を求める金銭がある場合は内容と金額を示す。
支払時期・支払方法 利用可能な支払方法を示し、前払い・後払い等の別と、具体的な支払時期を明確にする。
引渡し・提供時期 注文後いつ商品が届くか、又は役務がいつ提供されるかを、期間又は期限が分かる形で示す。
申込期間 商品等そのものの申込みに期間を設ける場合、その期間を正確に表示する。
返品・解約等 申込みの撤回・解除の可否、方法、期限、費用負担等を明確にする。返品特約がある場合はその内容を表示する。
事業者情報 法人名又は所定の氏名、現に活動している住所、確実に連絡が取れる電話番号を表示する。
代表者等 法人がウェブサイト等で広告する場合、代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名を表示する。
契約不適合時の責任 商品の種類・品質が契約内容に適合しない場合の責任について特約を設けるときは、その内容を表示する。
継続契約・特別条件 2回以上継続して契約する場合の販売条件や、数量制限その他の特別な販売条件がある場合は、その内容を表示する。
ソフトウェア等 ソフトウェアを利用する取引では、必要なOS等の動作環境を表示する。

なお、一般的なウェブ通販について、問い合わせ用の「メールアドレス」が常に第11条の基本表示事項になるわけではありません。他方、電子メールで通信販売広告を行う場合には、電子メールアドレスに関する表示規制等があり、未承諾者への電子メール広告は原則として禁止されています。ウェブサイト上では、法定事項とは別に、問い合わせフォームやメール窓口を整備しておくこと自体は実務上有用です。

3.「特定商取引法に基づく表記」ページを置くだけで足りるか

ECサイトでは、必要事項を「特定商取引法に基づく表記」というページにまとめる方法が一般的です。この方法自体は問題ありませんが、消費者が広告の冒頭部分から容易に表示箇所へ到達できることが重要です。リンク名から何が記載されているか分からない、購入導線から著しく離れている、外部サイトに移動しなければ確認できないなど、実質的に見つけにくい設計は避けるべきです。

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、「特定商取引法に基づく表記」「会社概要」など、表示内容が容易に分かる表現でリンク又は画面切替えを用意し、広告の冒頭部分から容易に到達できる方法が示されています。モール等で必要事項をサイト内に表示できるにもかかわらず、モール外の自社サイトだけに表示する方法は、通常は十分ではないとされています。

第11条ただし書による表示の省略

第11条には、消費者から請求があった場合に、必要事項を記載した書面又は電磁的方法による情報を「遅滞なく」提供する旨を広告に表示し、実際に遅滞なく提供できる措置を講じている場合に、一部事項の表示を省略できる仕組みがあります。ただし、何でも省略できるわけではなく、返品特約、申込期間、ソフトウェアの動作環境、一定の継続取引条件等は省略できない場合があります。

通常のECサイトは表示スペースを確保しやすいため、実務上はこの省略制度に依存せず、必要事項を分かりやすく表示しておく方が安全です。

裁判例:プラットフォーム利用時の第11条の表示義務

東京地方裁判所令和3年11月24日判決(令和3年(ワ)第10159号)は、ECプラットフォーム上の出品者について、特定商取引法11条所定の氏名・住所等の表示義務を誰が負うかが問題となった事案です。

裁判所は、利用規約上、出品者と購入者との間で直接契約が成立し、プラットフォーム運営者は販売の場を提供する立場であること、さらに規約上も特定商取引法その他の法令に従った表示は出品者自身が行うものとされていたことから、第11条の表示義務は出品者が負い、運営者が当然にこれを負担又は代行するものではないと判断しました。運営者が開示請求の窓口や定型文を用意していたことも、表示義務そのものを引き受けたことを意味しないとされています。

もっとも、これはプラットフォームを利用する場合に運営者が常に特定商取引法上の責任を負わないことを意味するものではありません。契約の成立主体、規約の内容、販売への関与の程度等によって評価は異なり得るため、出店者側ではモールやプラットフォーム任せにせず、自らが負う表示義務を確認することが重要です。

4.返品・キャンセル条件は特に明確に表示する

通信販売には、訪問販売等と同じ意味でのクーリング・オフ制度はありません。しかし、「通信販売だから返品には一切応じなくてよい」という意味ではありません。

特定商取引法第15条の3では、通信販売の売買契約について、事業者が返品に関する特約を明確に表示していない場合、消費者は原則として商品の引渡しを受けた日から8日以内であれば申込みの撤回又は契約の解除をすることができます。この場合、商品の返還に要する費用は消費者負担となります。

事業者が「お客様都合による返品不可」などの返品特約を設けること自体が直ちに禁止されるわけではありませんが、その特約を有効に機能させるには、返品の可否、期間、条件、返送料の負担等を消費者が容易に認識できるよう明瞭に表示する必要があります。インターネット通販では、広告だけでなく最終確認画面でも返品特約を確認できるようにしておくことが重要です。

実務上の注意

「返品についてはその都度相談」「詳細はお問い合わせください」といった記載だけでは、購入前に返品の可否や条件を判断できません。また、「お客様都合の返品」と、商品が契約内容に適合しない場合の事業者責任は分けて整理する必要があります。単純に「返品不可」とだけ記載すると、後者まで排除する趣旨に読まれるおそれがあります。

5.最終確認画面には第12条の6の表示が必要

2022年6月に施行された改正法により、インターネット通販では、消費者が注文を確定する直前のいわゆる「最終確認画面」において、一定事項を表示する義務が明確化されています。広告ページに必要事項を掲載していても、それだけで最終確認画面の表示義務を満たしたことにはなりません。

最終確認画面では、原則として次の事項を、消費者が一覧性をもって確認できるようにします。

  • 申込みをする商品・役務等の分量(数量、回数、期間等)
  • 販売価格・役務の対価と、送料を含む消費者が支払う金額
  • 代金・対価の支払時期及び支払方法
  • 商品の引渡時期、権利の移転時期又は役務の提供時期
  • 申込みの期間に関する定めがある場合、その旨及び内容
  • 申込みの撤回又は解除に関する事項(返品特約を含む)

画面構成上やむを得ない場合には、参照すべき事項と参照先を明確にした上で、広告部分の該当箇所等を参照する形式が認められる場合があります。ただし、インターネット通販の最終確認画面は書面より表示スペースの制約が小さいため、ガイドラインは、原則として必要事項を網羅的に表示することを望ましいとしています。

「注文が確定する」ことが分かるボタンにする

最終確認画面では、消費者がボタンを押すことで有料の申込みが完了することを容易に認識できる必要があります。「送信する」「次へ」など、申込み完了との関係が分かりにくい表示は避け、「注文を確定する」「有料で申し込む」など、操作の法的・経済的意味が明確な表現にすることが重要です。

また、申込内容を容易に確認・訂正できる仕組みも必要です。数量、配送先、支払方法等について「変更」導線を用意し、誤入力のまま注文が確定しない設計にしておくべきです。

6.定期購入・サブスクは「初回価格」だけでは足りない

定期購入やサブスクリプションでは、初回価格を大きく表示し、2回目以降の価格や最低購入回数、解約期限等を小さく表示する設計が大きなリスクになります。第12条の6のガイドラインでは、定期購入契約について、各回に届く分量、引渡し回数、各回の支払額、支払総額、解約条件等を消費者が把握できる表示が求められています。

例えば、初回1,000円、2回目以降3,000円、5回の受領が必要な契約であれば、初回価格だけではなく、各回の支払額、送料、5回分の総額、各回の数量、配送間隔、解約可能時期・方法などを最終確認画面で分かりやすく示す必要があります。

解約方法を電話に限定する場合、表示した電話番号が実際にはほとんどつながらない、折り返しを依頼しても対応しないといった運用では、解約に関する表示義務に違反するおそれがあります。解約条項だけでなく、実際のカスタマーサポート体制まで法務レビューの対象に含めることが重要です。

裁判例:初回価格を強調して重要条件を見えにくくした最終確認画面

東京地方裁判所令和5年12月13日判決(令和5年(行ウ)第285号)は、定期購入商品の最終確認画面について、初回販売価格や「いつでも解約OK」との表示を大きく強調する一方、2回目以降の価格、支払時期、引渡時期、解約条件等を、スクロールしなければ確認できない位置に著しく小さな文字で表示していた事案を扱いました。

裁判所は、これらの契約内容に関する表示は消費者の契約締結・継続の意思決定に大きく関わるため適切な表示が強く求められるとした上で、本件の表示では消費者が契約内容を明確に認識することが困難であり、契約内容を誤認させる危険性が高いと評価しました。さらに、過去の行政指導等も踏まえ、特定商取引法違反を前提とする業務停止命令等について、裁量権の逸脱・濫用はないとして処分を適法と判断しました。

この判決からも、最終確認画面では必要事項を形式的に掲載するだけでは十分ではなく、文字の大きさ、表示位置、スクロールの要否、初回価格等の強調表示とのバランスを含め、消費者が実際に重要条件を認識できる設計にすることが重要です。また、画面上の解約条件と実際の解約対応が一致しているかも確認する必要があります。

7.広告・LP自体の表示内容にも注意する

特定商取引法第12条は、通信販売の広告について、著しく事実と相違する表示や、実際のものより著しく優良又は有利であると人を誤認させる表示を禁止しています。表示義務の形式を満たしていても、表示内容が事実と異なれば別の問題が生じます。

ECの広告運用では、とくに次のような表示を確認する必要があります。

  • 実際には購入できる期間が続くのに、毎回リセットされるカウントダウン等で「まもなく終了」と誤認させていないか
  • 商品の性能、品質、効能、サービスの効果について、裏付けのない断定をしていないか
  • 初回価格だけを強調し、継続条件や総額を実質的に認識できない表示になっていないか
  • 国や公的機関の認定・推薦等があるかのような表示を事実に反して行っていないか
  • 商品画像、ブランド表示等が実際の商品と異なり、消費者を誤認させていないか

広告表示については、特定商取引法だけでなく景品表示法、薬機法その他の業法が重なる場合があります。商品カテゴリに応じて横断的に確認する必要があります。

8.EC事業者向け表示義務チェックリスト

公開前・改定時には、少なくとも次の項目を確認してください。

A.商品ページ・LP・「特定商取引法に基づく表記」

  • 実際の販売価格を表示しているか
  • 送料を金額又は消費者が金額を把握できる方法で表示しているか
  • 代引手数料・設置費等、購入者が負担する追加費用を具体的に表示しているか
  • 利用できる支払方法を漏れなく表示し、支払時期も明確か
  • 商品の発送・引渡時期又はサービス提供時期が具体的か
  • 申込期間を設けている場合、その期間が正確か
  • 返品・キャンセル・解約の可否、期限、方法、送料等の負担を明確にしているか
  • 法人名又は氏名、住所、確実に連絡できる電話番号を適切に表示しているか
  • 法人のウェブ広告では、代表者又は通信販売業務責任者の氏名を表示しているか
  • 継続契約、数量制限、ソフトウェア等、商品固有の追加表示が必要か確認したか
  • 必要事項へのリンクが消費者に分かりやすく、購入導線から容易に到達できるか

B.カート・最終確認画面

  • 商品・サービスの数量、回数、期間等が確認できるか
  • 商品代金だけでなく、送料等を含む支払総額が確認できるか
  • 支払方法・支払時期が確認できるか
  • 引渡し・提供時期が確認できるか
  • 期間限定販売の場合、申込期限を確認できるか
  • 返品・キャンセル・中途解約の条件を確認できるか
  • 定期購入では、各回の数量・支払額、総分量・総額、配送頻度、解約期限・方法が確認できるか
  • 申込みを確定するボタンであることが明確か
  • 注文確定前に内容を容易に確認・修正できるか

C.運用面

  • 価格、送料、返品条件等を変更した際、商品ページ・特商法表示・最終確認画面が同時に更新される仕組みになっているか
  • 解約・返品窓口として表示した電話番号やフォームが実際に機能しているか
  • モール、SNS、広告LPなど販売チャネルごとに表示漏れがないか
  • マーケティング担当、EC運用担当、カスタマーサポート、法務の間で変更内容を共有できているか
  • 表示内容と利用規約・返品ポリシー・FAQの内容が矛盾していないか

9.よくある表示ミスと修正の方向性

よくある状態 問題となるポイント 修正の方向性
「送料別途」だけ 消費者が負担額を把握できない。 送料を金額で示すか、地域・サイズ等に応じた金額を容易に確認できるようにする。
「発送は入金確認後」だけ 具体的な引渡時期が分からない。 「入金確認後○営業日以内に発送」など期間・期限を明確にする。
「返品は要相談」 返品可否、期限、費用負担が不明確。 返品できる条件・できない条件、期限、連絡方法、返送料負担を明記する。
屋号・サイト名だけを表示 事業者の法的な氏名・名称が特定できない。 法人は登記上の名称、個人は法令上認められる氏名・商号を表示する。
初回価格だけを強調 定期購入の総額や継続条件を誤認させるおそれ。 各回価格、送料、回数、総額、解約条件を近接して分かりやすく表示する。
最終ボタンが「送信」 有料契約の申込み完了と認識しにくい。 「注文を確定する」等、申込み確定であることを明確にする。

10.弊所の実務上の視点

ECサイトの特定商取引法対応では、法定表示ページだけを弁護士がレビューし、その後のカート画面や運用は事業部に任せるという分業になりがちです。しかし、現在の通信販売規制では、商品ページ、特商法表示、カート、最終確認画面、解約窓口までが一連の購入体験として問題になります。

実務上は、利用規約や特商法表示の文言を確認するだけでなく、実際の購入フローをテスト注文し、消費者がどの画面で何を認識するかを確認する方法が有効です。とくに、定期購入、初回割引、複数プラン、送料条件、返金条件が複雑なサービスでは、法務担当者が管理画面上の設定値やカートシステムの仕様まで確認する必要があります。

また、表示義務は「公開時に一度確認すれば終わり」ではありません。価格変更、送料改定、決済方法追加、キャンペーン開始、配送日数変更、解約窓口変更など、事業上の変更があるたびに表示内容との整合性が崩れる可能性があります。変更管理のフローに法務チェックを組み込むことが、継続的な違反防止につながります。

11.よくある質問

Q.「特定商取引法に基づく表記」ページをフッターに置けば十分ですか?

A.ページを設けること自体では足りず、消費者が商品・広告ページから容易に認識して到達できることが重要です。また、最終確認画面には別途、第12条の6に基づく表示が必要です。

Q.住所や電話番号は必ずウェブ上に表示しなければなりませんか?

A.原則として表示事項ですが、第11条ただし書の要件を満たす場合には一部表示を省略できることがあります。また、個人事業者がプラットフォームやバーチャルオフィスの住所・電話番号を用いる場合についても、消費者庁は一定の条件を示しています。単にプライバシー上の理由だけで無表示にできるわけではありません。

Q.問い合わせ用メールアドレスは必須ですか?

A.通常のウェブ通販の第11条の基本表示事項として、問い合わせ用メールアドレスが常に必須という整理ではありません。ただし、電子メール広告を行う場合には電子メール広告に関する別の表示・オプトイン規制があります。

Q.「返品不可」と書けば、お客様都合の返品をすべて断れますか?

A.通信販売では返品特約を明確に表示することが重要です。もっとも、商品が契約内容に適合しない場合の責任や、他の法令上の解除・取消しまで一律に排除できるわけではありません。返品特約と契約不適合時の対応は分けて記載するのが安全です。

Q.通信販売にはクーリング・オフがないので、返品表示がなくても問題ありませんか?

A.いいえ。通信販売には訪問販売等と同じクーリング・オフ制度はありませんが、返品特約を明確に表示していない場合には、特定商取引法第15条の3により、商品受領後8日以内の撤回・解除が認められることがあります。

12.弁護士への相談を検討すべき場面

ECサイトを新規に立ち上げる場合、定期購入・サブスクリプションを導入する場合、初回割引や複雑なキャンペーンを実施する場合、返品・解約条件を変更する場合には、公開前に購入導線全体を確認することが有効です。

また、消費者から「表示と契約内容が違う」「定期購入だと分からなかった」「解約できない」といった申出が複数発生している場合は、個別対応だけでなく、サイト表示やシステム設計自体に問題がないか早期に確認する必要があります。行政から照会や指導を受けた場合には、表示の修正だけでなく、過去の販売方法、顧客対応、社内管理体制を含めて対応を検討することになります。

主要な裁判例・一次資料

  • 【裁判例】東京地方裁判所判決 令和5年12月13日(令和5年(行ウ)第285号)
  • 【裁判例】東京地方裁判所判決 令和3年11月24日(令和3年(ワ)第10159号)
  • 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)
  • 消費者庁「特定商取引法」
  • 消費者庁・特定商取引法ガイド「通信販売」
  • 消費者庁・特定商取引法ガイド「通信販売広告について」
  • 消費者庁「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」
  • 消費者庁・特定商取引法ガイド「通信販売広告Q&A」

※本稿は2026年9月時点の現行制度を前提としています。

EC・通信販売の表示や利用規約に関するご相談

ECサイトの特定商取引法表示、商品ページ・LP、最終確認画面、返品・キャンセル条件、定期購入・サブスクリプションの表示などは、個別の文言だけでなく購入導線全体を確認することが重要です。新規ECサイトの公開前チェックや既存サイトの見直しが必要な場合はご相談ください。

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